誰かに
「ありがとう。」
そう言われた時、
あなたは何と答えていますか?
お礼を言われたことに
戸惑いつつ
「私なんて何もしてないよ。」
「全然、大したことしてないから。」
とっさに答えてしまう。
お礼を言われるようなこと
何もしてない…心の中でつぶやく。
本当は嬉しいはずなんだけど、
なぜか素直に受け取ることができない。
もしかしたら、それは謙遜とかではなく、
ずっと自分を後回しにしてきた
心のクセなのかもしれません。

「ありがとう」が苦手だった
お礼を言われることに
なぜか慣れません。
人にはたくさんの「ありがとう」
を伝えてきているはずだけど…
自分に向けられると
どこか顔が引きつってしまう。
慌てて笑顔に戻すけれど
「ありがとう」を受け取ることが
苦手だった。
昔から
誰かのために
何かをすることが
自分の価値だと思いながら
生きていた。
誰かがなんとなく元気がないことが
気になって
誰かがあんまり笑っていないと
気になって
そんなふうに、
いつもまわりを見てしまう人はいませんか?
できることなら
私の元気が
まわりに伝染するように
いつも元気を振りまいて…
いつも笑顔を振りまいて…
緊張している人がいると
緊張をほぐしてもらいたくて、
わざと、冗談を言って気を緩ませ
緊張がほぐれた顔を見ると
安心していた。
たまにある、仕事中のいざこざで
感情のコントロールが
うまくいかない同僚を見てしまうと
「少し風にあたりませんか」と
気持ちを切り替えるべく、外に連れ出し
落ち着いてもらえるよう、手を差しのべていた。
少し険しかった表情が
穏やかになってくると
安心していた。
誰かのために
何かをすることは
きっと自分が安心したかったから。
だから
「ありがとう」とお礼を言われると
心が両手で「ありがとう」を
押し戻す。
お礼を言われることが、心苦しくて
苦手でした。

自分だけに厳しすぎる心
いつも
誰かのために何かをすることで
安心していたから
自分のために
何かをするという気持ちが
「ありがとう」
と言われるときと同じように
苦手だった。
まわりに対してばかり
自分の意識が持っていかれ
その日、自分がやらなきゃいけない事
それにプラスして
まわりの人のためにやらなきゃいけない事
をどんどん増やしていた。
それは、自分がつらい状況の時も
変わらずに続いていた。
プライベートで
些細なもめごと
大きなもめごと
そんな時も、誰にも気づかれることなく
まわりへの気遣いは
当たり前のようになっていた。
誰かのために
何かをすることは簡単なのに
どうして
自分のためには何かをすることは
難しいんだろうか…
あなたにも、そんな気持ち
ありませんか?
少し距離を置いて
客観的に自分を眺めてみる。
人には優しくできるのに
自分には少し…
厳しすぎるんじゃない?
プライベートで悩みを抱えているときまで
まわりのために笑わなくてもいいし
悲しみでいっぱいの時まで
まわりのことを考える必要もない
きっと、誰かが同じことしていたら
そんな言葉をかけるだろう。
誰かのために
何かをすることで
安心してしまう気持ちは
本当は
必要とされたいという
気持ちの
かけらなのかもしれない。
けれど、
今は
自分には厳しすぎる私ではなく
自分を大切にできる私を
私自身が必要としているようです。

「ありがとう」は、あなたへの贈りもの
例えば…
仕事で期日がせまってきている中
いくつも業務を抱えていると
ぎりぎりの予定になってしまい
カレンダーとにらめっこしているとき
誰かが「これやっとくよ」
そう言ってくれた時
心から、「ありがとう」って伝えられる。
涙が出るほど、その優しさが嬉しい。
例えば…
些細ないざこざが
こじれてしまうときもある。
そんな時、肯定も否定もせず
ただ、離れずにいてくれる友人のおかげで
ガサガサな心が柔らかくなってくる
じんわりと温かくなった気持ちで
そっと「ありがとう」と伝える。
少し離れたところから
私を見ていると
誰かに伝えた「ありがとう」も
自分が受け取った「ありがとう」も
同じ気持ちなのかもしれない。
誰かのために
何かをすることを
当たり前にやってきたけれど
相手にとっては「ありがとう」
だったんだ。
私が伝える「ありがとう」と
同じ気持ちの「ありがとう」
私への贈り物。
素直に喜んで
受け取ろう。

まとめ
誰かのために無意識に頑張っている人ほど、
自分の頑張りに気づくことが苦手です。
「ありがとう。」
「助かったよ。」
「あなたがいてくれてよかった。」
そんな言葉を、嬉しい反面、
ずっと私がやったことなんて
「お礼を言われることではない」
そうやって、遠慮して生きてきた人も
少なくないかもしれません。
きっと、誰かのために
何かをすることが
当たり前の日々になっていたから…
でも、あなたが誰かに向けている優しさと同じように、
あなたに向けられる優しさも
同じように喜んで、受け取っていいんです。
もうそろそろ…
「私なんて。」ではなく、
「ありがとう。」と言われたら、
「こちらこそ、ありがとう。」
と、少しだけ笑顔で受け取ってみませんか。
もうそろそろ…
誰かのため
だけじゃなく
私のため
にも生きてみませんか。
あなたがあなた自身の頑張りを
やさしく認められる日が、少しずつ増えていきますように。



